
プランニング
ホテル業は客室、宴会場、レストランなどの「ハードウェア」と、サービスという「ソフトウェア」から成り立っている。でも、それだけでは不足。
数あるホテルの中から選んで、利用してもらうための魅力的な仕掛け、つまり「企画」が欲しい。
その仕事を担当するのがプランニング(企画)部門で、普通は広報も兼ねている。
電車の中でよく見かける「春のブライダル・プラン」とか、「秋の味覚フェア」とか、「クリスマス・ディナーショー」とかの広告。あの手この手で、ホテルもなかなか大変なんだなと思う。
わかりやすく言うと、こういうイベントを次々に考え出して実行するのが、プランニングのおもな仕事。もちろん、派手なイベントだけでなく、宿泊プランなどのパッケージ企画を通して、地道に個人客のニーズを掘り起こしていくといった作業も重要。
どんな業種でも企画を仕掛けていくのは面白い。とくに、集客という目立った結果の出るホテルの企画部門は、やる気を起こさせてくれる。ただし、仕掛け倒れで良い結果が残せなければ地獄。 面白がってばかりもいられない、厳しい実力勝負の世界であることを心しておこう。
思いつきのアイデアを出すのなら、誰だってできる。そのアイデアを実行に移すまでの段どりがしっかりできないようでは、プランニングの仕事とは言えない。
アイデア出しは個人的作業でも、段どりは共同作業になるということ。宿泊部門、料飲部門、宴会部門それぞれの協力なしには、良いアイデアも実を結ばない。そのためには、ホテルのすべての業務に通じていることが大前提。
イベントの宣伝広告ひとつ作るにしても、デザイナー、コピーライター、カメラマンといった人たちとの共同作業になる。まとめる力、調整する力、トータルな管理能力がもとめられるというわけ。これはかなりの経験を積まなければ身につかない。
ということで、プランニングの第一線で活躍できるようになるには、ある程度の年月を要することがわかると思う。ただし、年齢を重ねることで感覚が古くなってしまっては、これも具合が悪い。 経験豊富でセンスが若ければ申し分ないのだけれど、そうもいかないのが世の常で、結局はせいぜい40 歳までが花盛りの仕事ということになるのかな。
最後にエピソードをひとつ。東京・千代田区のホテルニューオータニでは従来、1日に5トンの生ゴミを処理業者に出していたが、先ごろそれを自社で処理して堆肥にかえるシステムの開発に成功。 この堆肥を使ってできた有機野菜をホテルで利用しているのだそうだ。新しい時代のプランナーは、イベント企画のみならず、こういう発想もできなくっちゃ!